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「でも……、それなら俺に説明すればいいじゃないか? そしたらお見舞いにだって行ったのに」
その言葉に、私は首を小さく左右に振った。
「病院に行った時には、もう発疹がケロイド化してて……。それで五月、とても貴方に逢えないって塞ぎこんでいたの。それに美男子の貴方には五月から一カ月前に告白して、やっと付き合う様になったんでしょう? だから沢山のライバルの女の子が居るから、貴方と暫く逢えなくなったら他の娘に取られちゃうって、五月は落ち込んでた。だから彼女は双子の私に代理を頼んだの……。彼女の入院期間中、貴方を引き留めておく為にね」
私を見つめながら拓海くんは大きな溜息を吐いた。
「五月は完全に誤解しているよ。俺はもっと前から五月のことが気になっていたんだ。そんな彼女から告白された時、本当に嬉しかった。だから少しの期間逢えなくたって、俺が心変わりする訳ないのに……」
今度は私が拓海くんを見つめる番だった。
この美男子は、五月が心配している様な軽い男じゃなくて、五月のことを本当に大事にしてくれる素敵な彼氏なのね。
それなら……。
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