エピローグ

1/2
前へ
/16ページ
次へ

エピローグ

「ありがとう、五月(さつき)さん。五月(メイ)に逢わせてくれて」  病室を出て、エレベーターに向かう廊下で、拓海くんが私に話しかけてきた。 「いいえ、本当にごめんなさい。貴方を騙すことになって」 「もういいんだ。五月(メイ)の気持ちも分かるから」  私は立ち止まって彼を振り返った。そして彼を見上げた。 「拓海くんは心も美男子(イケメン)五月(メイ)の自慢の彼氏だね。私も憧れちゃうな」  拓海くんは私の言葉に首を傾げている。 「ありがとう五月(さつき)さん。ねぇ、聞いていいかな? 五月(さつき)さんは彼氏居るの?」  私はブルンブルンと首を左右に振った。 「残念だけど、年齢イコール彼氏居ない歴なの。五月(メイ)みたいに可愛くないから……」 「えっ? 五月(さつき)さんはとても可愛いのに……。そうだ、ちょっと待って」  彼はスマホを取り出してメッセージアプリで誰かにメッセージを送っている。  直ぐに返信が有ったみたいだ。 「この近くにいるから、この病院に来てくれるって」 「えっ、誰が?」 「まあ、ちょっと待ってて」
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加