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「樹さん!次!お化け屋敷!」 「さっきも行ったろ」 「違う!今度は本物の人間が出てくるやつ!きっと怖いよ!」 「はあ…お前は俺が怖がる姿を見たいのか」 「そっそんなことない!どんな感じかなって!」 そう、 俺は怖いものなんかこの世界にはないって感じの樹さんが怖がる姿を見てみたかった。 さっき仕掛けだけのお化け屋敷に入ってスタスタとなんの声も出さず何事も無かったかのように出口に出た。 そして次のお化け屋敷でも… ーー無意味でした。 「お前ここで働けるんじゃないのか?1番声でかかったぞ」 そうです叫んでたのは俺だけでしたね。 本気で怖かった… 「そーですね!ここに就職しようかな!フンっ!」 「クックック…面白いなぁ。初めてだっけ?」 「うん…へへ…すげー楽しい」 大人になって遊園地がこんなに楽しいものだとが思ってもみなかった。 でもそれはひとりじゃ絶対楽しめなかった。 樹さんと来てるからっていうのが一番。 樹さんが俺の頭をくしゃくしゃっとする。 「ありがとう付き合ってくれて…遊園地とか…ガキだよね」 「大我が楽しめるならどこへでも付き合う」 「憧れてたんだ…学校で遊園地の話が出ても…頭の中で楽しむしか出来なかったから…」 家族でなんか来たこともない 「そうか」
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