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「樹さん…今回のヒート記憶飛んでないって言ったじゃん?」 「あぁ」 「樹さんさ…その…えっと…」 「うん」 「薬、飲みすぎてない?」 「…いーや」 樹さんは寝室で薬は飲まない。 今回ずっと樹さんの寝室に居て部屋を出る回数が多かった。 薬が効く樹さんはそんなに薬を飲む方ではないしからそんなに匂いは変わらない ヒートだからといって俺は記憶が飛んだら分からないけど それ以外は何もかもわけがわからなくなるということでもなく、今回はいつもとは違って尚更分かった。 樹さんの匂いにはかなり敏感になってきている。 「嘘だ、俺の為にいつもより飲んだでしょ?」 「気にするな」 「そうなんでしょ?」 「大我、大丈夫」 「大丈夫じゃないから言ってるんだ、あんな…フラつく樹さん初めて見た!俺樹さんだったら別にラ」 「大丈夫だから」 昨日ふらついた樹さんは顔が真っ青だった。 朝ケロッとしてたから連れ出して来たけど悪ければ今日は来ないつもりだった。 「全然大丈夫じゃないって!俺に死なないでって言うんだったら樹さんこそ死んじゃダメだろ!俺も樹さん守りたい!」 薬は怖い 良くも悪くも作用する 「ごめんなさい…俺のせい…」
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