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「俺が学生まで…その頃はまだ家に両親も雄樹も居て、あと…使用人も居た。うちの家族は全員αでね。使用人もαか、βを雇っていたんだ。絶対Ωを採用しないようにしてた。…でも俺が高校2年の時の使用人がβのはずがΩと偽ってて…」
「えっ」
大我が何かを察したかのように何も言わず俺の心臓に手を当てゆっくり優しくトントンと胸を叩く
赤ちゃんを寝かしつけるように
落ち着かせてくれている
「その日父は夜勤で母は友達の誕生日パーティー、弟は修学旅行で家には俺と使用人だけだった。家には薬も即効薬もあった。だけどご飯に変な薬を盛られて…抑制剤を打ち消す効果のある薬だった」
「そんなものあるの?!…ひどい」
「Ωの匂いは敏感なのに上手くやっていたんだアイツは…俺達に対して」
いつもタートルネックを着て、フェロモンを抑えるフェロモンプロテクターを首に付けてた
なぜ気づかなかった
と何回も後で悔やんだ
悔やんで悔やんで悔やみきれなかった
そして一定の距離を保ち俺達を狙っていた。
「俺…達?」
「あぁ、後で分かったことは父の病院に恨みがあった遺族だったらしい。だから俺の家族だったら誰でもよかったんだ」
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