番の一夜

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番の一夜

「大我、着いたぞ」 ようやくマンションに着くとまずソファに座らせ玄関付近の廊下に無造作に置いていた荷物を近くに持っていく。 「ほら、薬出せるか?出せたら飲ませてやる」 今飲ませてもこいつに効果は薄いだろうが… 「はい…すみません…」 出張に連れ出して成功だった。 会社だったら1発でバレるだろうな 俺が居ない時の対策を練らなければ。 電車の乗り継ぎは本当に大変だった。 大我の尋常ではないフェロモンに気づかないバカは居ないと言っても過言じゃないほどだ。 ホテルをとろうとも考えたがいつ終わるか分からないヒートによってホテルに缶詰めはごめんだ。 「はぁ…はぁ…俺もそろそろか…すごいな、ほんとに」 電車の中で先に大我のフェロモンに気付いたのは俺もそろそろ薬が切れる頃だと悟った。 もう噛むことなんてないと思ってたんだけどな 先に会社に電話しておこう 大我のヒートは短いから 有給とあとはリモートで済ませばいい まぁどうにかなる [あ、もしもし、榊です………]
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