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彼は俺の薬指にキスをする
「俺はそれだけで十分なんだよ。
言える?」
彼の首に手を回して目を見つめると自然に口が動き出す
「うぅっあっあ、愛してる」
樹さんが初めて俺に催促した言葉は今まで恥ずかしくて滅多に口にした事の無い言葉
樹さんに思ってる沢山のごめんなさいをこの一言にすり替えるように言わせてくれた
「正解」
彼はホッとしたようにニコッと笑うと深く深く深水まで溺れてしまいそうな息ができないくらいのキスをする
そして優しく寝かせられてまた彼の腰は動き始めた。
俺の左手の薬指を甘噛みしながら。
「さて、今日は何回一緒の景色が見れるかな」
こんなに愛してくれてる人を
こんなに愛してる人を
俺はどうやって支えていけるのだろう
「泣き虫くん」
「ンぐっ…はぃ」
「愛してるよ」
それから俺はずっと泣きながら限界まで樹さんを求めた。
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