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「ねえ、沙羅ちゃんも退院なんでしょ」
それには深くうなづく。
記憶が戻ったからだ。それに美玖利が身元引受人として引き取ってくれることになった。
「ねえ、どこの中学へ行くの? 美玖利先生はどこに住んでいるのかな」
「今、家を探しているらしい。タケルも一緒に住むから」
「ああ、叔父さんっていう人でしょ」
あっちの世へ帰れなくなったわたしたちはもうしばらくこっちの世で過ごすことになった。それでこちらでは満十四歳という年齢では、学校へ行かなければいけないということも知った。それはそれで楽しそうだ。
「朱里と同じ中学へ行きたいと申し出ている。おそらく美玖利先生がその地域の家を探してくれているはず」
「え、マジで? やったー! また会えるんだね」
朱里はわたしの手を取り、飛び上がって喜んでいる。このように素直に喜んでくれる朱里が大好きだ。
*****龍神の詩・帰城せよ!に続きます*****
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