蹴破った先

2/3
前へ
/3ページ
次へ
「リーダー、行きましょう」  ユイナさんが、倒れたドアの奥に親指をクイッと向けた。中は電気がついていて明るい。  俺たちは中に入る。するとドア付近に、『花さか爺さん』の本を抱きしめながら横たわっている管理人らしき人が「どうか、命だけは助けて下さい」と怯えていた。  管理人は60代後半くらいの男性で、白く長い髭が特徴な人だった。 「無事ですか?」  俺は管理人に話しかけ、ドアを蹴破って突入した経緯を土下座しながら説明した。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加