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 熱い。身体が熱い。  セルジオは椅子に座ったまま、身体を丸めて震える吐息を吐き出した。  その唇は赤く色付き、頬も上気している。身体も震え始めたが、これは寒さではなく、興奮からだ。セルジオはウェーブがかったアッシュブロンドの髪の隙間から、隣に座る男を見やると、彼はニコニコと上機嫌でこちらを見ていた。 「ふふふ、いい顔……。ますます僕好みだ」  彼の名は──確かネロと言ったか。しかしそれが本名なのかは分からない。何故なら、今まさにセルジオは騙されたばかりだからだ。  ネロは相変わらず楽しそうにこちらを眺めている。その余裕な態度に罵ってやりたくなったけれど、口から零れるのは熱く湿った吐息だけだ。  ネロはダークブラウンの瞳を細める。スッキリとした顔立ちは、間違いなく美形の部類に入るし、とろりとした大人の色気を強烈に放っていた。 「さぁ、奥で“休憩”しよう?」  ネロはセルジオの腕を掴むと、強い力で引っ張って立ち上がらせた。
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