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はじまり
今から私の失恋話しを書こうと思う。
誰かに話したくなったから。
10年前、当時27歳だった私と29歳だった彼が2年間交際し、別れた話。至ってありきたりなストーリーの。
それでも失恋した当時のことを思い出すと、今でも胸が軋む。
今だから「軋む」程度で済む。当時は軋むなんてものじゃなかった。
失恋をして経験した、強く押し潰され続けるような胸の痛みは、鎮痛剤では治せないその痛みは、長い間私を苦しめた。
深い穴の最深に落とさたように続く絶望や喪失感。息苦しく真っ暗なその穴は深すぎて這い上がれず、息絶えるかと思った。
それでも這い上がり解放されたから、良い思い出として話したくなった。
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