桜颪

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同棲を決め、新居探しや家具屋巡りが週末の楽しみになっていた。 7月になり、良い部屋がみつかり、契約をしようとしている時だった。 悠久が契約を延期したいと言い出した。理由を聞いてもはっきりしない返答に、霧のような不安が心を支配した。 会う頻度も月1、2回に減り、会っている間もどこか気落ちしているような、暗い表情をしている。 一度「何かあったの?」と聞いたが、「何もないよ。本当に、ごめんね。」と言う彼に、しつこく聞くのも面倒くさがられるかと、それ以上聞くのはやめた。 毎日が晴れない霧の中にいるようだった。 それでもクリスマスとお正月は一緒に過ごした。大切に私を抱く悠久はきっとまだ好きでいてくている。嫌なら、こんな優しい表情を向けるはずない。 暗い表情は仕事が上手くいってないのかもしれないと、自分に言い聞かせた。 それが2月に入り、連絡はとれるが、はぐらかされ会えない日が続いた。 もうダメなんだろうか。だったらはっきり言って欲しい。ずっと宙ぶらりんで、落っこちてしまいそうな日々に疲弊していた。
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