満開

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目を覚ました時には、窓の外は赤く染まり、薄暗くなり始めていた。 大島は寝ているのか目を閉じている。目を閉じるとまつ毛の長さがより際立つ。 「そろそろ帰らなきゃ。」 ソファから立ち上がり、乱雑に脱ぎ捨てられた洋服の中から自分のものを探す。 大島はけだるそうにしながら、腕を瞼の上に置き大きな欠伸をしている。 「何も予定なければ、もう一泊していけば?」 「ごめんね、予定があって帰らないと。」 大島は私の髪を優しくなでている。私はそっと手を伸ばし、彼の綺麗な鼻筋を指でなぞる。 「わかった。じゃあまた来週ね。あと、大島じゃなくて悠久(はるひさ)ね。」 両腕を私の後ろに回し、頭を抱き抱え、ゆっくり力強く抱きしめられる。 触れる肌から、大島の鼓動が伝り、その音に包まれた。
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