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それから明智光秀についての話で大層盛り上がってしまった。
余りにも感性が似過ぎていて、話していても楽しくて離れ難くなってしまっていた。
時間が出来るとふたりで会っては明智光秀の話をしたり、他にも色んな武将の話や時代考証、様々な歴史的ミステリーの検証など話すことは無限にあった。
その内、案外早くに男女の仲になったのは私が一方的に五十嵐さんに迫ったという経緯があるのだけれど、お互い口に出して『付き合ってください』という言葉が無いままズルズルと一年過ぎてしまっていた。
明確な付き合っている感がないままする事だけはしている。しかも家に上がり込んでご飯を食べたり、読みたいなぁと零した本を用意してくれている。
だからといって今のこの状況が彼氏彼女という関係といってもいいのだろうか。
(いや、ダメでしょう)
だって私には他にも付き合っている男がいた。ひとりでも多くのいい男と付き合いたいと思っている私にとって五十嵐さんは友だち以上恋人未満という非常に都合のいい位置にいる人なのだった。
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