第三章 薬と毒

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(あぁ……なんだ、私) とっくに彼のことが好きで好きで……他の男と出会って遊んで寝ても、結局最後に帰るのは彼の腕の中だった。 「エリさん? どうしたの?」 「……好き」 「え」 「私……祐樹さんのことが……好き」 「……」 今、ここで、この状況でいう告白ではないかも知れないけれど、今いわないともうずっといえないような気がした。 「今までごめんなさい! 私は最初にいったように肉食で……祐樹さんの他にも付き合った(ひと)がいっぱいいて……そんなふしだらな体で祐樹さんとも付き合っていて……」 「……」 「心も体も醜くくて汚い女なの! だけど……だけど祐樹さんだけは他の男とは全然違っていて……祐樹さんは私にとっては特別だって今、ちゃんと、はっきりと解った」 「……」 「だから祐樹さん、私とちゃんとお付き合い、してください!」 「……」 私の身勝手な告白を彼は黙って訊いていた。どんな返事が返って来ても受け入れようと、グッと下腹に力を込める。 何も言葉を発しないまま、彼がジッと私を見つめること数十秒。やがて彼の腕がゆっくりと持ち上がった。
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