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(あぁ……なんだ、私)
とっくに彼のことが好きで好きで……他の男と出会って遊んで寝ても、結局最後に帰るのは彼の腕の中だった。
「エリさん? どうしたの?」
「……好き」
「え」
「私……祐樹さんのことが……好き」
「……」
今、ここで、この状況でいう告白ではないかも知れないけれど、今いわないともうずっといえないような気がした。
「今までごめんなさい! 私は最初にいったように肉食で……祐樹さんの他にも付き合った男がいっぱいいて……そんなふしだらな体で祐樹さんとも付き合っていて……」
「……」
「心も体も醜くくて汚い女なの! だけど……だけど祐樹さんだけは他の男とは全然違っていて……祐樹さんは私にとっては特別だって今、ちゃんと、はっきりと解った」
「……」
「だから祐樹さん、私とちゃんとお付き合い、してください!」
「……」
私の身勝手な告白を彼は黙って訊いていた。どんな返事が返って来ても受け入れようと、グッと下腹に力を込める。
何も言葉を発しないまま、彼がジッと私を見つめること数十秒。やがて彼の腕がゆっくりと持ち上がった。
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