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散々『好きだ』『愛している』『祐樹さんとしか寝ない』なんて言葉を吐いて、ふと我に返る。
(あっ、そういえば祐樹さん、風邪ひいていて──)
そんなことを考えた瞬間、いきなり体が反転した。あっという間に祐樹さんに押し倒されていた。
「祐樹、さん?」
「エリさん……狡い」
「え」
「僕をこんな気持ちにさせて……」
「こんな気持ちって」
「僕、熱があるのに……頭、くらくらするのに……」
「ゆ、祐樹さん?」
「そんななのに……今、堪らなくエリさんが欲しい」
「!」
文字通り熱っぽい視線を投げかけながら彼は性急に私を求めた。
(え、え、嘘っ!)
彼の熱っぽい掌が、唇が肌を這い、どんどん私を快楽に誘って行く。
「はぁ……なんだかエリさんの肌、舐めていると気分が良くなって来ているみたい」
「えぇ、何、それっ」
「僕にとってエリさんは風邪の特効薬なのかも知れないね」
「そんな訳、ないっ」
どちらかといえば、病人に無茶をさせている時点で毒じゃないかと思ったけれど、今までのセックスでは見せたことがないほどに彼が妖しく艶やかに乱れている。
(えぇ……こんな面もあったんだ)
初めて知ったその濃厚な行為に彼の中の肉食を見た気がしたのだった。
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