最終章 青い鳥

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「ねぇ、何処かいいところ見つかった?」 「んーとね、築年数は少し経っているけど会社の近くに──」 私たちは現在一緒に住む家を探し中だった。 以前彼に『なんで営業やっているの?』と訊いた時『人様の家に伺うのが好きだから』といっていた理由が私にはいまいち解らなくて、後に詳しく訊いたところ『僕、家族で住んでいる家が好きなんだ。なんか生活感が溢れているのを間接的に観るだけで幸せになれるというか、住んでいる人たちのことを想像して、その何気ない日常の幸せのための一端を僕の作業でも担えているんだと思うととてもやりがいを感じるんだ』と語った。 それを訊いて思わず、あぁ、彼らしいなと思った。 今はやむを得ずひとり暮らしをしているけれど、本当は実家が大好きなのだとも告白した。 『じゃあいつかは実家に帰るの?』と訊けば彼は緩く首を振って『今はエリさんとの家を……家族として住む家を探したい』と流れ的にプロポーズされ感激した。 そう、私と彼は近い将来結婚する。そのための家探しを少しずつ始めているところなのだ。 休日になると色んな物件を見て回るというデートをしている。 最初は賃貸住宅に住んでお金を貯めて、いずれは自分たちの家を建てたいと夢見ている。
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