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「ほら、もっと締めろって。俺がイけないだろ」
「だっ、たら、いっ、一生、いくな」
「一生行かないよ、どこにも」
最奥を抉るまで深く深く律動していた海吏は、俺の汗ぐっしょりの背中に腕を回してきつく抱き締めてきた。
いや、それ「いく」違いだから。意味違えし。なんて嫌味が言えなかったのは、あんまりにも抱き締める力が強くて声が出なかったのと、ドクンと跳ねてときめいたみたいな心臓の音が聞こえていませんようにと念じすぎていたせい。
だっておかしいだろ。なんの接点もない、いやちょっと授業がかぶっただけの、お互い女にモテる野郎同士が一生一緒とか言ってキャピってんの。どうなんだよそれ。不毛だろ。こんな、体液まみれになるだけで生産性のないことをさ。これから何年、何十年も続ける? いやいや、ないって。飽きて離れていくんだろ、どうせ。
「あーいい。それもっとして」
お綺麗な顔が快楽に歪むのが、唇を引き結んで耐えてるのがかわいいなんて、そんなのおかしいだろ。
「やば…茅草、やっぱ最高」
抱き締めながら突いて突いて…。
こんな真似事したって、ほんとに好きになってくれるわけじゃないんだろ。
「茅草…出る…」
こいつはどうせ気持ちよくなりたいだけ。俺がそこにいただけ。だからさ、こいつの優しい顔見て、背中に回ってる筋肉質な腕感じて、やわらかい唇の熱に浮かれて、期待なんかすんなよ、俺。
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