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ハイキング
「せっかくのハイキングなのに曇ってるわね。残念。あなた雨男なんじゃないの？」
朝から4人分の弁当をせっせと作っていたさちこが言った。
「誘っといてあれだけど、山田さんご夫婦なんで行く気になったのかしらね？何か言ってた？」
「うーん、そうだなぁ…
あの日は旦那さんが玄関まで出てきてくれて…。あぁそういや顔は見なかったけど部屋には奥さんが多分いた。こっちの会話をじっと聞いてる気配はしたな。
そういやさー、いま思い出したんだけど旦那さんがさ、“わかりました。その日に決めたのですね。こちらもやっと覚悟を決めました”って言うんだよ。意味わかんねぇーって思ったけど俺スルーしちゃった。」
「なにそれ。あ、あれじゃない？仲良くなる覚悟を決めましたってことじゃないの？まぁあとで会ったら聞きましょうか。
そういえばこの前の地区の集会、越してきた頃は若い夫婦があと1組くらいいなかった？最近見ないわよね。気が合いそうだったからまた会ったら話しかけたかったのに。若い夫婦だけじゃなくもうちょっと村人多くなかった？」
「でました。また妄想癖がはじまってるぞー。たまたまいなかったんだろきっと。みんな暇じゃないんだよ。」
「そんなもんかしら。ところであなた、もう用意できた？そろそろ行くわよー。」
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