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村のルール
山の見晴台まで4人は歩いてきた。
頂上付近までいくと景色がよい広場が見えてきた。
「ここにしましょうか!」
さちこはリュックからお弁当を出そうと荷物を下ろしゴソゴソと取り出す。
「ここですか。わかりました、こちらも準備します。」
山田(夫)も荷物を下ろしゴソゴソ何か取り出した。
「さぁ、みなさんどうぞ〜!」
さちこが割り箸を山田夫婦に配ろうとしたその時、
山田(夫)がさちこの背後に回り羽交い締めにした。
手にはナイフを持っている。
何が起きたかわからないさちことマナブは固まってしまった。
「ひっ!」
さちこから悲鳴が漏れる。
マナブはまだ固まっている。
「あの…山田さん…?
これは一体どんな状況なんでしょうか?」
マナブがようやく口を開いた。
山田(嫁)は隠れているらしく姿が見えない。
「何を今更。決闘をこの場所に指定したのはそちらでしょう?人目を気にしてここにされたのでしょう?
この後に及んで諦めが悪いですよ。」
ナイフをさちこの首に突き当てたまま山田(夫)は言った。シミュレーションをしていたのだろうか、やけに落ちついている。初めてではないのだろうか…。そんなことを考えつつ羽交い締めにされて身動きが出来ないでいたさちこだったがひるまず聞き返した。
「けけけ…決闘?!なんですかそれ!
今日はハイキングでお近付きになりたいなっておもって…ほんとにちょっとなんのことか…」
敵意もなく素直に話すさちこに山田(夫)が急に手を緩めた。
「ほんとに知らないのですか?この村のこと…」
「この村のことって??」
さちことマナブは同時に聞き返した。
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