人形

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人形

粗末にすなと母上が おおせ、給いし、この人形 着物を着せて 帯を締めて 箱の御殿に座らせん 着物は緑、帯は赤 模様は松に、こぼれ梅 泣くなよ泣くな お休みの日には花見に連れゆかん 〈解説〉 雛人形を出すと必ず歌ってくれた歌です。 女の子の従姉妹は、私の他に2人いて みんなオワカさんに歌ってもらったと思うのですが 誰も覚えていないそうです。 私は、従姉妹の中では1番 オワカさんと接する機会が少なかったのですが 子供の頃から、昔の話や歌を聞くのが好きで よく覚えもしたので ふじのんには教え甲斐がある、と言われました。 「人形」のメロディは、童謡と思えないほど重々しく 歌詞も「母上が仰せ給し」などと堅苦しいですね。 そこが好きでした。 でも、そういえば オワカさんも母も言葉遣いに厳しく 親には敬語、と言われて育ちました。 思春期までは親に敬語を使っていましたよ! 呼び方は「お父様」「お母様」 思春期以降は、友達の手前恥ずかしくて パパとかママとか誤魔化してましたが 今は「お母様」に戻ってしまいました。 行ってきます、ではなく、行ってまいります。 おはよう、ではなく、おはようございます。 いちいち言い直されました。 この歌の「こぼれ梅」も「コボレンメ」と 発音するのだと、毎回直されました。 昔の発音はそうだったのでしょうか。
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