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「お母さーん!電話だよー!」
一階にいるハルカが呼んだ。
電話?誰かしら…
あ、そうだった!
今夜は自治会の集まりが公民館であるんだった。また会長に嫌味を言われるわね…
階段を降りて受話器の前で呼吸を整える。会議に出なかった言い訳は部屋からくる途中で考えた。
あぁめんどくさいわ…
「はいお電話変わりました。
会長さんお待たせしてすみません。
…実は娘が帰省しておりまして孫も来ててバタバタでつい時間を忘れて…」
「誰が会長だって?」
「え?」
「娘と孫かぁ。
お前と一緒になってたら俺にもそんな未来があったのかな…なんてな。」
「は?ヨシオ…?なん、なんで??」
「お前自治会サボったのか?
なかなかの不良主婦だな。」
「だからなんで家の番号知って…あ…あなた勝手に調べたわね?そんなことで国家権力使っていいわけ?」
「おいおい、国家権力なんか使ってないさ。
ただ昔の仲間にちょっと聞いたら繋がっただけだよ。
ところで今から出れないか?」
「は?
今から?もう20時よ?
無理よ。急に何言うのよ」
「大丈夫。言い訳は手伝うさ。」
そう言うとヨシオは電話を切った。
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