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「香りだけでブラックか分かるんだ。こうみえて珈琲にはうるさいんでね。合ってるだろ?なぁよしこ」
そういってヨシオはニヤッと笑った。
笑った時の目尻と口元のシワに年齢を感じたが独特の変な色気があった。
すっかり忘れていたがそう、
ヨシオは人が悪い。あと相当な人タラシだったのだ。
時間と共に記憶から抜けていた。
なら、きっとおそらく…
「いつから?」
「なんだ?」
「いつから私って気づいてたの?」
「さっき。」
「うそつき」
「そう嘘だよ。
確か昨日かな~
俺に見とれてしばらく動かなかった女がいたなぁ。
あれお前か?」
またニヤッと笑った
「見とれてなんかないわ。
どこのくたびれじじぃかと思ってみただけよ。
自惚れないで。」
悪態がとまらなかった。
自分でもどうしていいかわからない。
ただなんか私…やっぱり変だわ。
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