新説ヘンゼルとグレーテル

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ーーそれから、リーダーを殺してしまったのだから当然だが、カブンを追われた私達は、他の魔女達とは関わらない様にしながら、ひっそりと4人で暮らし始めた。 でも、寂しくはない。 私達は、掛け替えのない『家族』なのだから。 だから、私達はあの日から、4人で手を取り合って暮らしている。 勿論、黒ミサなんて行っていないし、生贄も、もう集めてはいない。 ただ、変わったことがあるとするならーー私達は、(かつ)て自分達がそうして貰った様に、道に迷った旅人や捨てられた子供達を積極的に助ける様になった。 そうして、今日もまた、傷ついた小さな手がお菓子の家の扉を叩く音がする。 「ようこそ、お菓子の家へ。さぁ、遠慮しないで中へいらっしゃい。ここにはあなたを傷つける者はいないわ。先ずは、温かなスープをどうぞ」 【完】
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