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「仁さんって何歳ですか?」
「あー、こう見えて30歳なんだよ。
学生に見えたりするようだけど。」
「すみません。私も20代前半の撮り鉄かと思ってました。」
「あはは。撮り鉄なのは間違いないよ。
今はやっとカメラで食べれるようになったんだ。」
そう言うとカメラを優しく撫でる。
撫でている指が本当に綺麗だと思った。
「駅に着いたらすぐに帰りのバスや電車の時刻表を確認する事。
君達世代はすぐにネットで検索すればいいと思うみたいだけど、何かあった時にはネットは繋げられないよ。
だから、ちゃんと調べるように。」
「はい、ありがとうございます。」
「それじゃ、僕はこれで。
おにぎりありがとう。」
「いいえ、こちらこそありがとうございます。
お話し出来て良かったです。」
彼は席を立ち、カメラを大事そうに抱えて去って行った。
私はお弁当を空にしたら、部屋に戻るとすぐに寝てしまった。
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