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授業が終わると、用事のある有紗と別れて近くのカフェへと向かった。
課題をカフェでやる方が、集中出来るので最近通っている。
小一時間程経過した時、頭上から「おい!」と声をかけられて恐る恐る顔を上げると左目に青痰を作り苛々した様子の匠が立っていた。
私の目の前の席に許可なく座ると、足を組んで店員さんにコーヒーを注文した。
「あのさ、メッセージなんで見ないわけ?
嫌がらせ?幼稚すぎるだろ。」
「別れたばかりの彼氏のメッセージなんて、良いお知らせではないもの。
見るわけないわ。
ブロックしないだけマシでしょう。」
何か言い募ろうとしたようだが、逡巡して口を噤んだ。
運ばれてきたコーヒーを、ゴクリと飲むとモゴモゴと話してきた。
「…悪かった。
真央の気持ちも考えずに。
エイプリルフールの悪い冗談だと思って、俺達やり直さないか?
この青痰さ、有紗に殴られたんだよ。
あんな暴力女だと思わなかった。
やっぱり真央のがいいんだ!
有紗は美人だけど、怒鳴って殴ってくるし…。
そこいくと、真央は素直で明るいし!
なぁ、やり直すだろう?
まだ、俺に未練もあるだろうしさ。」
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