再会

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見上げると寝台列車で出会った仁さんが、心配そうに見つめていた。 「仁…さん!?」 「真央ちゃん、大丈夫かい? 君さ、コーヒーは飲み物だよ。 顔にかけようとするなんて、もったいない。」 そう言われると、匠は急に立ち上がって去って行った。 まさか、別れ話で揉める日が私にくるとは思わなかったと他人事のように感じていると、仁さんは笑顔で言ってきた。 「こんな偶然あるんだね。 あれからちゃんと帰れたのかな?」 「はい!仁さんの言われた通りに、電車に乗って帰れましたよ。 本当にありがとうございました。 御礼が直接言えて良かった。」 「僕も直接無事を確認出来て良かったよ。」 「それより仁さんは、どうしてここに?」 「ここで打ち合わせをしてて終わって帰ろうとしたら、コーヒーをかけられそうな真央ちゃんを見かけたんだよ!」 仁さんは笑顔で話すから、私は顔を真っ赤にして下を向いた。 「申し訳ないです。」 「とりあえず、無事で良かったよ。」 「また、助けて頂いてありがとうございます。」 「真央ちゃんは何してたの?」 「これでも大学生なので、課題をやってました。」
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