1人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
鬼たちの引っ越し大作戦!
昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが暮らしていた。
おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川で洗濯をするのが日課である。
二人の貧しくも穏やかな生活は、おばあさんが川で巨大な桃を拾ったことで一変することとなった。どんぶらこ、どんぶらこ、と流れてきた巨大な桃を食べようと割ってみると、中から赤ん坊がオギャアと生まれてきたからである。
おじいさんとおばあさんは、その赤ん坊に桃太郎と名付けて可愛がることにした。
まあ、桃からうまれた桃太郎が、普通の人間であろうはずもなく。
彼は人間ではありえない速度で大きくなり、しかも普通の男たちより遥かに大きな体躯と怪力を持っていた。
しかし、おじいさんとおばあさんの影響で、誰より優しく、正義感に満ち溢れた青年でもあったのである。彼はある日、村で噂を耳にする。とある漁村を、悪い鬼たちが苦しめていると。漁村の人々の食べ物や宝物を盗んだり乱暴したりするので、大層困っていると。
桃太郎は正義感に燃え、鬼退治へ向かうことに。
おばあさんに貰った黍団子を使い、猿、雉、犬のお供たちをゲット。鬼ヶ島に向かった桃太郎は、彼等の協力もあって鬼たちをばったばったとなぎ倒し、あっというまに首領をも撃破することとなる。
桃太郎は彼等からがっぽり宝物を奪い取った。
漁村は桃太郎を、村を救ってくれた英雄と称えた。そして奪った宝物で、以降はおじいさんおばあさんと共に豊かな暮らしができたという。
めであし、めでたし。
……とまあ、これが、一般的に知られている桃太郎の昔話なのだが。
実際の桃太郎は、まったく違う話であったことを読者諸兄はご存知だろうか。
最初のコメントを投稿しよう!