不貞か禍か

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不貞か禍か

ある年の冬。和の国の王に待望の娘が生まれました。国民は姫の誕生を喜び、貴族はこぞって王宮に豪華な祝いの品の数々を贈りました。しかし姫の姿が公の場でお披露目されることはありませんでした。 なぜなら、王家の印である黒い髪、目を受け継いでおらず、銀色の髪に金色の目を持っていたのです。生まれるはずのない容姿をした娘を見た王は王妃の不貞を疑いましたが、王妃はそれを認めませんでした。そして娘を指差し言ったのです。 「きっとあなたの行いに怒った神が、生まれてきたこの子に災いを与えたのでしょう。」
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