プロローグ

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プロローグ

「ナイショだよ……、絶対にナイショね」    あまりにも七瀬が真剣な目をしてたから、きっとすごい秘密なんだろう。  ゴクンと唾を飲み込んで、秘密を守ると誓いを立てるように小指を差し出した。  自分の小指をためらいがちに絡めながら、七瀬は息をすうっと飲み込んで、小さな声で俺にだけ教えてくれた秘密。 「私ね――」  小学二年生だったその時の俺には、七瀬の言っていることがよく理解できなかった。  よくわかんないけど、昨日の算数のテストで八点だったという俺の秘密よりはすごいことなんだろう。  ただ『それ、なに?』って聞くのも、ますます俺がバカだと思われそうで。 「ふ~ん、すげえなあ」  と、理解したフリをして、笑顔で返事をした。  七瀬は、俺の返事を聞いて、なんだか怒ったような、ガッカリしてるみたいな顔をしてた。
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