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そんな私にも味方がいた。 「そんなこというヤツの方がバーカ!」 幼稚園から幼なじみの咲良(さくら)ちゃんはいつも私を守ってくれた。 さっちゃんは、明るくて可愛くて成績優秀、スポーツ万能。誰からも好かれる人気者。だから性格の違う私とも仲良くしてくれた。 私をからかう人は減っていった。 多分、周囲には咲良ちゃんが仲良くしている特別な子、というバイアスがかかっていたのだろう。5年生までは、地味なりにまあまあ平和な日々を送っていた。 ところがもうすぐ6年生、という春休みにさっちゃんは転校してしまった。家が近いだけで仲良くしてもらっていただけの地味な私には、分不相応なポジションだったのだ。 あれは忘れもしない小6の4月の始業式。私は青ざめた。話したことのある子が、新しいクラスにはいなかった。誰も私に見向きもしない。 今までさっちゃんに守られて胡座(あぐら)をかいていた私には、自分から動く能力がなかった。 なんとかしないと、と思えば思うほど体は動かなかった。
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