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幸か不幸か、朝起きられないとか体が動かないとかそういうことはなかった。
気持ちや体が重たくても学校に着いてしまえば教室に入ることもできた。そうなってしまえば、もう放課後まで学校にいるしかない。
途中で帰るのには、大人を納得させるという難関が待ち受けているのだ。心を無にして座っている方が何十倍もマシだ。
私は通学距離は近い方だから、30分くらい歩けば家に着く。でも、中には5キロ歩いて帰る人やスクールバスに乗らないと帰れない人もいるのだ。簡単に「帰りたい」なんて言いづらい。
鈍くて消極的だけど登校できる子。今のところはそれでいける。本当にどうにもならなくなるまでは、このまま続けよう。
小6になってすぐ、私はそう決めた。
それが私と関わる全ての人々にとって一番平和だと判断した。
他に方法が思い付かなかった。
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