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全く知らない土地で中学生になった私は、自転車通学でないことに安堵していた。
なんと、こちらでは小学生でも中学年から自転車通学が当たり前。でも私はギリギリ2キロ弱なので徒歩通学だ。ちなみにクラスで徒歩通学は3人。
そして、やっぱりスタートに失敗した。元々特別に努力をする気もなかったのだから、当然の結果と言える。
新参者に興味津々だった人達は、地味な私を一目見るとすーっと去って行った。
「家、どの辺?」
突然現れた子が声をかけてくれて嬉しかった。名前は詩ちゃん。さっぱりした印象の子だ。その笑顔に、心がふわっと柔らかくなるような気がしたのを覚えている。
だけどやっぱり男子は怖かった。それに女子だって私のことを無視したりするようになるんじゃないかとか、もうすでに馬鹿にしてるんじゃないかと、毎日怯えていた。
私には詩ちゃんしかいないけど、詩にはたくさんの友達がいた。
また同じようなことが起こるのは嫌だったけど、どうしたら平和に過ごせるのかはわからなかった。
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