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「実は昨日彼に会って問い詰めたんだけど、はぐらかされちゃってね。やっぱり私、大切にされてないかもって気づいて。永禮くんのお陰だよ」
「そんな、僕は……」
「永禮くんと話してて久しぶりにすっごく楽しかった。浩介といてもあんなにドキドキしないもん」
ニコニコしながら話す水沼と大雅を見ながら、恭祐がにやにやとしていて不気味だ。
「永禮くん、私、探偵助手桂くんのファンになろうと思う」
「…………え」
そこで、堪えきれなくなった恭祐が盛大に噴き出していた。
さっきまであんなに心配そうにしていたくせに、どういうわけだ。
「よ、よかったな、桂。仕事を取る前にファンを獲得したみたいで」
「なんで所長はそんなに笑ってんですか」
「だって、探偵助手にファンだぞ?」
「それ、間接的に水沼さんを笑ってますよ?」
どうしてこの人はこんなに締まりがないのかと呆れながら、この状況でもくだらないことに笑えてしまう恭祐になんだか救われる。
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