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「このビルの2階だ」
到着したのは築10年くらいの、黒い御影石が使われているビルだった。古いビルと古いビルの隙間に建てられたような作りをしており、5階建ての建物は幅が3メートル弱しかない。
入口のガラス製でできたドアは手動で、正面には向かって左にビルの管理事務所、右にエレベーターがあった。
2階に着くと、恭祐は『不忍探偵事務所』というプレートの付いた扉で暗証番号を入力してから指紋認証を行い、セキュリティロックを解除させる。
恭祐が曇りガラスのドアを引くと、そこには――。
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