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モルテザの視線が乳房の山を越え臍という湖を泳ぎ、淡く陰る女の園に行き着く。 欲望を掻き立てる精の香り。女の園には男達を奥へ奥へと駆り立てる、甘い蜜溢れる果実が隠されている。 左手を乳の上に置き右手で太股の付け根を隠しながら、唇と瞳に微かな含羞の色を浮かべて立つシェへラザード。 彼女自身が最高級の真珠の如く無垢でありながら、捨てられた貝殻と男達の白骨を積み上げた城の上に立っていた。 その場にはシェへラザードが従えてきた女奴隷達とモルテザが用いる男奴隷達もいたが、女神のような裸体を目にしても彼等は動じていなかった。 シェへラザードが黒髪を掻き上げ、軽く視線を送ると、それを合図として男女の奴隷全員が衣服を脱ぎ捨てた。 口を洞穴のように開けてシェへラザードを仰ぎ見るモルテザに、彼女は白い手を差し出した。 自ずと彼女の手の上に自分の手を重ねる。意思を縛られて立ち上がり、彼女に手を引かれるままに庭に出た。シェへラザードが対面でモルテザの衣服を脱がせていく。 これから何が行われようとしているのかは、彼自身の欲望の印が示していた。
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