5人が本棚に入れています
本棚に追加
そうと決まれば情報収集よ。
「二人はなぜ選ばれたの?」
「俺が学園一優れているからに決まっているだろう?」
唐突な質問に、会長は快く自信満々に答えてくれた。
一方先生は、「選別計画も練合君の発案ですからね。私はまぁ、最終候補と言う名の立会人です」と力無く笑った。
……生徒会長、勝ち確じゃん。自作自演のヤラセってこと?
本当に乙女ゲーなのか怪しくなってきたわ。
「成績だけで選ばれて、恋愛感情はあまり重視されていないってコト?」
「そんなことはない!」
二人のハモった声に逆ハー味を感じ、不覚にもトキめいてしまう。
生徒会長は私の腰に手を回す。
「出会った時からお前に決めていた。容姿端麗、文武両道なお前こそ、完璧な俺に相応しい」
なるほど、理央会長のタイプはレベルの高い女か。
彼にリードしてもらえたら、純粋に恋をエンジョイできそう。毎日が刺激的で飽きることなんてないだろう。
先生は私の手をとり、その甲に口付けする。
「私はあなたが、ノラ猫にお墓を作ってあげていたのを見て……それからずっとお慕いしてきました」
阿賀辺先生は、思いやりのある女性がタイプみたいね。
先生なら私のこと、一生大事にしてくれるんだろうな。穏やかで平穏な日々を送れそう。
でも……本当にいいのかな?
このまま彼らの愛を受け入れてしまって……
彼らが語るその女性は、私じゃないのに?
一生このゲームの中にいるとして、攻略後、私は彼らの理想に応え続けられるのだろうかーー
もし、彼らに私の本当の姿がバレたら、私はどうなってしまうの?
最初のコメントを投稿しよう!