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「ああ、今楽にさせてあげるよ。涼しくしてあげる。いや……もしかしたら暖めてしまうかもしれないけど」
「ちょ、やめ……っ」
王子がメイド服のリボンを解き、ブラウスのボタンに手をかける。
上から3つめまでを外されて、中から薄い下着と胸の谷間が覗いた。
「うん。可愛い。もっと嫌がって?」
ニッコリ。
(ドSーーーー!)
紛うことなき、ドSだ。
ゲームの中の彼と寸分違わない。
「ひゃ……っ」
王子はルーナの下着を下へずらし、胸の谷間へ顔を埋めてきた。
息が、唇が掠めてくすぐったい。
そんなところにキスをされると、妙な気持ちになってくる。
「や、め……っ」
「ふふ……っ。やめて貰えると思ってる?」
思ってはいない。
思えない。
だって。
(私はこの先を知っている)
多少違うところはあるが、それでも大筋は同じだ。
それに……。
どうせ自分は抵抗出来ない。
何せ相手は王子様だ。
引っぱたいて逃げようものなら不敬罪になるし、どんなにルーナが喚き騒ごうとも、王子の手前ほかの使用人からは見て見ぬふりをされる。
一介のメイドに、拒否権などない。
抵抗は言葉でしか出来ない。
言葉ですら制約がある。
(うわ、改めて考えるとこの主人公ってこんなに立場弱かったんだ)
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