2話

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「ああ、今楽にさせてあげるよ。涼しくしてあげる。いや……もしかしたら暖めてしまうかもしれないけど」 「ちょ、やめ……っ」  王子がメイド服のリボンを解き、ブラウスのボタンに手をかける。  上から3つめまでを外されて、中から薄い下着と胸の谷間が覗いた。 「うん。可愛い。もっと嫌がって?」  ニッコリ。 (ドSーーーー!)  紛うことなき、ドSだ。  ゲームの中の彼と寸分違わない。 「ひゃ……っ」  王子はルーナの下着を下へずらし、胸の谷間へ顔を埋めてきた。  息が、唇が掠めてくすぐったい。  そんなところにキスをされると、妙な気持ちになってくる。 「や、め……っ」 「ふふ……っ。やめて貰えると思ってる?」  思ってはいない。  思えない。  だって。 (私はこの先を知っている)  多少違うところはあるが、それでも大筋は同じだ。  それに……。  どうせ自分は抵抗出来ない。  何せ相手は王子様だ。  引っぱたいて逃げようものなら不敬罪になるし、どんなにルーナが喚き騒ごうとも、王子の手前ほかの使用人からは見て見ぬふりをされる。  一介のメイドに、拒否権などない。  抵抗は言葉でしか出来ない。  言葉ですら制約がある。 (うわ、改めて考えるとこの主人公ってこんなに立場弱かったんだ)
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