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Uは帰還せり
魔法少女ひまわり組の推理 スケベ勇者とUの継承者編新装版
妙に冷たい石畳が、変に嫌いだ。
王都捜査室の捜査官、タルカス・シーボルトは思っていた。
こういう石畳には、やっぱり、吸い込まねえんだろうな。
大量の血はよ。
タルカスの眼前には、原形を留めていない、バラバラに切り刻まれた女の死体が、虚ろな目でこっちを見つめていた。
「いつもの奴――か?被害者は?」
「カッパーか、それより下だったよ。可哀想に」
同僚の捜査官が、そう言った。
いつものことながら、本気でムカつくな。こういう野郎を見てるとよ。
捜査官が示した壁には、
U IS BACK
そう血で書かれていた。文字は古代語で、現代文に訳すと、Uは帰還せりってとこか。
その前の犠牲者の時は、I AM SUCCESSOR OF Uと書かれていた。もう十分だ。こいつの名は。Uの継承者だった。
Uで始まる、殺人者だと、やっぱりあいつか。
ユリアス・ブレイバル。
恐ろしい実力を有した、かつての学校の後輩だった。
タルカスは、捜査官の中でも珍しく、ルルド・リュミエール式魔法塾学校、通称アカデミーの元生徒だった。
生徒時代には、もうこういうの見てきたがよ。
なあ、犬っころ。そっちは、平和なんだよな?
今は会えない、生涯の友のことを考えていた。
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