遂に再会

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遂に再会

 まあ、仕方ないかあ。頼まれた以上、仕事はします。  それで、俺は、ようやく直接、あいつに会いに行くことになった。  捜査協力、お願いしていい?あいつに?って言ったら、王様うんて言ったんで。  初めての出会いは、後の酒場、ブルームーディーになる前のそこで、あいつは、不機嫌そうにドラムを叩いていた。  あっという間だったなあ。あいつと、今でも親友と呼べる間柄になったのは。  一緒にインククリムゾン立ち上げたりしたんだよなあ。あいつの名前楽曲のタイトルにしたし。  結局、すぐにインクリは解散したんだ。そう言えば、あいつはシルバーランクで、子爵の御曹司だったんだが、後妻の息子に家を追い出されたと言っていた。  それで、3年であいつは、経済的理由でアカデミーを去ったのだった。  別に、俺はあいつが、イモ焼屋とかの親父であっても気にしなかったんだけどなあ。 中退した奴には、魚屋とか肉屋もいたんだし。  ある日、あいつは中央国家のエリート部署、王都犯罪捜査室に入ったらしいことを聞いた。  マジか。あいつ、中央国家の凶悪犯罪を、広域に捜査する人間になったの?  あれ?確か、捜査局の試験には、珍しく古代語のテストがあったんだよな?  アイ・アム・ア・ペンシルで止まってたんだよな?あいつ。  しばらく、鉛筆って呼んでたんだが。  あいつが国家公務員の道を、俺はアカデミーの教員の道を進み、まあ、もう関わるようなこともないと思ってたんだが。  例のゼニスバーグ襲撃の時、思いっきりあいつが働いてるサクラダ―ゲートに喧嘩売っちまったんだっけ。  そのあとも、名前だけは出てたんだけどな。エウリアデとかと会話した時に。  俺のこと、覚えてるよな?あいつ。  サクラダ―ゲートの庁舎に入って、俺は、ロビーでイライラキセルをふかしてるあいつを見つけた。
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