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鳥山にも手伝ってもらい、二往復で移動は終了。
インタビューを受けながら、マサオとフルカワは仮の寝床を作っていく。
頑丈な木の枝を柱代わりに、ブルーシートを屋根にしてテントのように作っていくフルカワ。
一方で、手持ちのダンボールで底面と簡単な壁を作り、同じくブルーシートを屋根にするマサオ。
二人の作業に鳥山とカメラマンは興味津々な様子だった。
「こういうのって、ホントに性格出ますね。二人ともここからどんな感じになるのか楽しみですよ。」
「あとは天気だけですよね・・・」
カメラマンが残念そうにつぶやく。
もしこのまま晴れていたら撮影を続けたかったようだが、肝心の機材に問題が出てしまっては致し方がない。
こうして日も暮れ出したころ、取材班は撤収していった。
イベント終わりの移動日も来るという。
恐らくこの数日の話は尽きないだろう。
お互いの寝床がひとまず完成したところで雨が降り出す。
しかも強め、予報通りの強い雨だが夜が明ければ弱くなるはず。
マサオはガスコンロを持つフルカワの寝床の中で食事にあやかる。
コンロ一つで食事の幅は当然のように広がる。
やはり先輩だけある。
マサオは彼の路上での生活術の高さを羨ましく思った。
同時に近い将来購入する予定を立てたのだった。
「あ。見たいドラマあるんだけど、話初回じゃないけど、よかったら一緒に見ます?」
「もちろん!俺途中からでも楽しめちゃうタイプなんで、気にしないで!」
マサオはテレビを持ち出し、フルカワの寝床にてドラマを鑑賞する。
お互いに気を使う事なく時間を過ごす。
ドラマも終わり、夜も更けていく。
ここらがお互い就寝のタイミングだろう、そう思いマサオは自らの寝床に向かった。
しかしここで、マサオは自然の驚異を身をもって知る。
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