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〜○月○日 月曜日〜
"うぅ・・・・胃が重い・・・"
前日の一人祝勝会の影響が体に現れていた。
重い体を起こし、用を足しに寝床の外を出る。
通勤ラッシュが落ち着いた時間帯、人の数も少なく思える。
それでもまだまだスーツを着た人々が行き交う中、向かいにいる先輩の所に二、三人の人が溜まっている。
年末頃からたまに見かける顔だが、年長者である者の身なりからして路上者ではなさそうだ。
マサオは邪魔にならない程度に挨拶をする。
すると、ひとりの男性に丁寧に挨拶をされる。
「恐れ入ります。私、○○テレビの報道担当の者でして。今、取材でこちらのビル街下にお邪魔させて頂いてます。」
「あ、そうですか、ご丁寧にどうも。ディレクターさんですか。名刺頂戴しますね。」
「いきなりで申し訳ないのですが、いつかお時間ある時に取材宜しいでしょうか?」
「まぁ、私の話でよければ。では、失礼しますね。」
簡単な挨拶も終わり、マサオはその場を離れる。
名刺のやり取りなんていつぶりか、以前取材と称して非常識な時間に来たユーチューバーの奴らに、爪の垢を煎じて飲ませてやりたいものだ。
偏見かもしれないが、それが出来ないからユーチューバーなのかもしれないなとも思った。
にしても、昔少しだけ仕事したことあったテレビ局だったので驚いた。
妙な縁で繋がっているという事なのだろうか。
マサオは頂いた名刺をマジマジと眺めてながら思いふけっていた。
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