奇跡

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いつも行くテラスで日光浴をしていると、近くにわずかに残る森林が目を止まる。 あそこには何があるのだろうか。 たまには森林浴も悪くない。 そう思い、マサオは森林へ行ってみる事にした。 ほんのわずかな森林の中の舗装された道を歩くと、その先には立派な神社が建っていた。 "そういえば初詣まだだったな。" マサオはお参りをしていくことに。 願い事か。急に言われてもそうは出ないもの。 マサオは考えに考えた、賽銭を投げ手を合わせる。 "路上者だろうがなんだろうが、物書きとして稼げるようになりますように。" いつか実現することを祈り、寝床に戻る。 森林浴というのは、本当にストレス軽減になるのがわかる。 週に何度かお参りに来てもいいのかもしれない。 マサオの生活サイクルの項目がまた一つ増えそうだ。 昼過ぎに寝床に戻ると、先輩の元に取材班が残っていた。 何時間も同じ場所で取材とは、よほど本格的な企画でないとやらないだろう。 名刺を受け取った人は出払ってしまった代わりに、朝から同行している男性スタッフがカメラを回している。 先輩に手招きされ、寝床に向かう。 「お兄さん、これよかったら使ってよ。」 「あ、どうも。これなんすか?」 一枚のお風呂券だ。 正直つい最近まとめ買いしたばかりだからそんなに困ってもいなかったが、ありがたく受け取る事にした。 その様子をカメラにずっと押さえられている事に違和感を感じつつ、マサオは寝床に戻る。
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