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誰?
四月の青く澄んだ空の下の、桜の木の下に、とある少女がいた。
「空野さん?」
あれ、なぜ僕はこの子の名前がわかったのだろう。
顔も見たことない。
クリーム色のサラサラの髪に、真っ白の綺麗な肌に、水色の澄んだ瞳。顔のパーツ、体のバランスが整っている。
こんな美しい少女を一目でも見たなら忘れるはずがない。
初対面のはずだ。
なのに、なぜか思わずその名を口にした。
いや、その子の名前かはわからないけど、知り合いにもいない名前を口にせずにはいられなかった。
そんなことを考えていると、
「酒井くん?」
彼女が口を開いた。
酒井、それは僕の名前。
彼女も僕のことを知っているようだ。
僕と彼女はどんな関係なんだ?
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