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「酒井くん?」
なぜ、彼女は僕の名前がわかったのだろう。
「やっぱ酒井くんだよね!!久しぶり!!」
そう言いながら彼女は僕に飛び込んできた。
お腹に柔らかいものが当たっている。これはまずい。
「い、いやあの空野さん?あの、ちょっとはっ離れてくださいっ!」
「あっ・・・・ごめんね、久しぶりに会えたのが嬉しくて思わず抱きついちゃった」
彼女は頬を赤らめながら言った。
今更「誰ですか?」なんて言えない。
彼女が誰かも、僕とどんな関係かすらもわからないのに・・・・・
「・・・・・・酒井くんが私のこと覚えてたのびっくりした!」
え?つまり、彼女は僕が自分のこと覚えてないって思っていたってことか?
・・・・・・その通りだ。
もっと言いにくくなってしまった。
「・・・うれしいなぁ」
もっともっと言いにくい。
「あ、あはは僕もだよ。空野さんと会えて嬉しい・・・・よ」
苦笑いすぎただろうか。バレバレだっただろうか。
「そういえば、酒井くんはどうしてここにいるの?」
「ど、どうしてって・・・・ここに住んでるからだよ」
「え?????」
え??????
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