きっと、会える。

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1944年。 日本は戦争の最中にあった。 「なぁ、知っとるか? もうすぐ米兵の攻撃が終わるらしいぞ。なんでも我が日本国がなかなか屈しないからの、弾がもう尽きたんじゃと。」 「本当か? それならあとは、我が大日本帝国軍が、米兵たちを一網打尽にするだけじゃの!」 「……嘘じゃよ。」 「なんだ、嘘かい。」 「こんな嘘でも言わんとやってられんわ。」 「まぁ……な。」 戦況は芳しくなかった。 ことごとく日本が誇る戦艦は沈められ、歩兵たちによる防衛線も次々と突破されていった。 「のぉ真司、お前、生きて帰ったらまず何したい?」 日本の男子は、老人や病気を持っている者、志願しない者は軍に所属しなくても良いことになっていた。 しかし世間は、そんな男子たちを『非国民』と呼び蔑んだ。 その理由はひとつ。 『お国のために、一花咲かせてきます!』 そう言って戦地に赴く、勇気ある若者たちが多かったから。
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