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同じ主将でもサッカー部やバスケ部、野球部のそれと違って、俺は全然女子にモテない。そりゃそうだ。イケメンだったらまだしもこんな外見じゃあな……
別にいいけどさ。おれには大事な女がいるんだし。
「あんた、また女子おどかしたの? ダメじゃないの、もう」
声に振り返ると、同じクラスの梶原 真奈美だった。帰り仕度で上履きを靴箱に入れている。
幼馴染のこいつは、おれに平気で話しかけられる、数少ない……というか、実質唯一の女子だ。小学生の頃は同じ空手道場で一緒に練習していたが、こいつは中学に上がったとたんに空手をやめてしまい、今はなんとパソコン部の部長をしている。外見は……まあ、悪くは無いと思う。体形は痩せても太ってもいないし、くりくりした眼にすっきり整った鼻筋。丸顔にショートボブの髪がよく似合ってる。だが、おれの思い人とは全く比べものにならない。次元が違う。色んな意味で。
それに、こいつは結構ひねくれた性格で、事あるごとにおれをからかってくるのだ。
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