深夜徘徊少年と壊れたおねーさん

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 その日の朝は、痛みで起きた。肺に溜まった空気と少しばかりの唾液をまき散らして、うずくまる。おとーさんの足があった。あ、一本なくなった。 「ぐぇ!!」  思いっきり頭を踏まれる。そのまま僕の頭を蹴っ飛ばすと、おとーさんは髪を掴んで持ち上げた。ああ、そうか。挨拶をしてなかったな。酸欠と痛みでガンガンする頭で解を導き出した。 「おとーさん、おはようございます」  顔面を殴られた。鼻に当たって、派手に鼻血が出た。どうやら違ったようだ。じゃあ、なんだろう。もしかして昨日公園に行ったことがおかーさん経由で伝わって、それで怒ってるのだろうか。と思ってるとまた殴られた。  うめき声を上げながら、汚いアパートの床に転がる。痛みで顔とおなかが痛いが、思考はクリアだった。急いで、昨日置きっぱなしにしたプリント類を抱きかかえる。 「ごめんなさい! ごめ……痛っ……ごめんなさい! 今片づけます!」 「ちげーよ!! クソガキ!!」  頭に蹴りがクリーンヒットし、気を失った。
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