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「俺のことを馬鹿にしてんのか!!?」
おとーさんの怒鳴り声。『ちがいます』と『ごめんなさい』のどちらを言おうか迷った一秒、髪を掴まれる。
「ごめんなさいおとーさギャァ!!」
床に頭を叩きつけられる。何度も、何度も、何度も。
「お前、俺のこと馬鹿にしてんだろクソガキ!」
「ちがいます! ちがいます! ごめんなさいごめんなさい!!」
殴られた。歯が折れた。口の中に血の味が広がる。
「馬鹿にしてんだろこの! 馬鹿ガキの癖に!!」
おとーさんは鼻息を荒くしながら、漢字ドリルをビリビリ破いた。
「ちがいます! ちゃんと勉強してちゃんとした大人になりたいんです!」
こうなったおとーさんにはもう、怒りが収まるまで謝り続けるしかない。僕は土下座をする。
「ぐッ! がッ!」
背中をドカンドカンと何度も踏みつけられる。
「馬鹿にしやがって馬鹿にしやがって馬鹿馬鹿にししししやがががってぇええええええ!!!!!!!」
僕の頭を掴むと、唾を飛ばしながら、顔を真っ赤にして、何度も何度も何度もさっきまで漢字ドリルを置いてたちゃぶ台に叩きつけた。
何度も何度も何度も何度も何度も。ああ、頭が痛い。目の前が暗い。痛い、痛い、痛い、痛い。おとーさんが、何かを叫んでる。おねーさん、貴方は言いました。辛いことがあっても、大人になったら楽しいことがあるって。大人になったらって、いつですか?
腹を蹴られて胃酸をまき散らす。痛みに耐えられずうずくまると、目覚まし時計が視界に入った。まだ、五分もたってない。おとーさんに髪を掴まれて引きずられる。おとーさんは僕を殴る。僕はおとーさんに殴られる。痛み。痛い、痛い、痛い、痛い、痛い。僕はいつまで耐えればいいですか?八年後って、何分後ですか?僕は今すぐこの痛みから解放されたいんです。
痛い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いあ、おとーさんが何かわめき散らしてる。うるさい。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いうるさいうるさいうるさいうるさい痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いうるさいうるさいうるさい痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
あ、意識が……遠く。やっと死ねます。神様ありがとうございます。
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