深夜徘徊少年と壊れたおねーさん

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 目を覚ますと、おかーさんの顔が見えた。包帯を手に巻き付けていた。僕の手ではなく、おとーさんの手に。そうだよね。あれだけ殴ったら、手も血まみれになるよね。 「ふへへ……へへへへへへへ」  乾いた笑いが出た。  起き上がる。全身に痛みが走った。でも、痛すぎるだけで普通に生きてる。あれだけ殴られても、内臓が破裂したりしないんだ。人体の神秘に感動したりはしなかった。神様死ね。顔が腫れ上がって目がよく見えない。  顔を冷水で洗う。痛すぎて、洗うのに二十分ぐらいかかった。おなかが鳴った。足を引きずって冷蔵庫の前まで行く。冷蔵庫のドアを開けると、ビールとちくわしかなかった。  ちくわをそのまま頬張る。痛みに顔をしかめながら、少しづつ食べた。全部食べ終わるころには、おとーさんとおかーさんはもう寝ていた。  公園に行こう。おねーさんに会いたい。僕はずるずると、足を引きずって歩き出した。
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